Concept
開港以来150年程の歴史を重ねる横浜には2つの特徴的な居住エリアが存在する。 1つは、みなとみらい地区。業務、観光と共存する利便性を重視した高層型居住エリアである。 また、もう1つは山手地区。居留地当時の面影が残る文教施設群が緑と相まって豊かな景観を形成する。 尾根の南北にゆとりのある街区が広がる低層型居住エリアである。 敷地は山手地区に代々受け継がれる土地で、尾根からひな壇状に下る南斜面に位置する。 既存の建物や門柱は異国情緒に溢れゆったりと佇み、その道沿いには先代が植えたという桜並木が大木となり歴史の深さを物語っていた。 この計画はオーナー住居のある9戸の集合住宅である。 山手に住まうことに求められるニーズを読み解き、かつオーナーの思いを後世に引き継ぐことが最大のテーマとなった。 山手地区には景観、緑地、高さ等様々な規制が設けられ、山手らしい環境が継承されている。 これらの規制の特徴を活かしプログラムを組み立てることを意識した。 建ぺい率40%の余剰である60%の空地にいかに豊かな環境を取り込むか、また高さ規制による上方への眺望をいかに確保するか。 これらの条件をもとにモジュールとなる住戸をコの字型に雁行して配置することで、前庭、中庭、専用庭の3つの空地を構成した。 敷地への導入部分となる前庭には既存の樹木、門柱、鋳物のフェンスを可能な限り再利用し、この土地の記憶を受け継ぐとともに建物の顔としての設えを意識した。 また、住戸に囲われた中庭は居住者のための大きなエントランス空間となる。 静けさを求めるプライベートな空間へと移行するフィルターの役割を兼ね備えている。 また、各住戸はLDKと一体的に繋がる専用庭を持つ。1階の住戸はコーナーに設けられた開口部を通して地面(専用庭)と繋がり「平面的な広がり」を得る。 床のステップを下りることで地面との距離を詰めると共に天井高をより確保している。 2階の住戸は上部のペントハウスを通して空へと繋がり「立体的な広がり」を確保している。 ルーフテラス(専用庭)からは南斜面に広がる眺望を満喫することができる。 これらの住まい方はみなとみらいの高層マンションの快適さとは一線を画するものであり、山手でこそ可能な住居形式だと言える。 時代の変遷を経て変わり続ける横浜において、山手では変わらないことが求められるのではないか。 この計画は山手に住まうためのプロトタイプを提案するものである。
開港以来150年程の歴史を重ねる横浜には2つの特徴的な居住エリアが存在する。 1つは、みなとみらい地区。業務、観光と共存する利便性を重視した高層型居住エリアである。 また、もう1つは山手地区。居留地当時の面影が残る文教施設群が緑と相まって豊かな景観を形成する。 尾根の南北にゆとりのある街区が広がる低層型居住エリアである。 敷地は山手地区に代々受け継がれる土地で、尾根からひな壇状に下る南斜面に位置する。 既存の建物や門柱は異国情緒に溢れゆったりと佇み、その道沿いには先代が植えたという桜並木が大木となり歴史の深さを物語っていた。 この計画はオーナー住居のある9戸の集合住宅である。 山手に住まうことに求められるニーズを読み解き、かつオーナーの思いを後世に引き継ぐことが最大のテーマとなった。 山手地区には景観、緑地、高さ等様々な規制が設けられ、山手らしい環境が継承されている。 これらの規制の特徴を活かしプログラムを組み立てることを意識した。 建ぺい率40%の余剰である60%の空地にいかに豊かな環境を取り込むか、また高さ規制による上方への眺望をいかに確保するか。 これらの条件をもとにモジュールとなる住戸をコの字型に雁行して配置することで、前庭、中庭、専用庭の3つの空地を構成した。 敷地への導入部分となる前庭には既存の樹木、門柱、鋳物のフェンスを可能な限り再利用し、この土地の記憶を受け継ぐとともに建物の顔としての設えを意識した。 また、住戸に囲われた中庭は居住者のための大きなエントランス空間となる。 静けさを求めるプライベートな空間へと移行するフィルターの役割を兼ね備えている。 また、各住戸はLDKと一体的に繋がる専用庭を持つ。1階の住戸はコーナーに設けられた開口部を通して地面(専用庭)と繋がり「平面的な広がり」を得る。 床のステップを下りることで地面との距離を詰めると共に天井高をより確保している。 2階の住戸は上部のペントハウスを通して空へと繋がり「立体的な広がり」を確保している。 ルーフテラス(専用庭)からは南斜面に広がる眺望を満喫することができる。 これらの住まい方はみなとみらいの高層マンションの快適さとは一線を画するものであり、山手でこそ可能な住居形式だと言える。 時代の変遷を経て変わり続ける横浜において、山手では変わらないことが求められるのではないか。 この計画は山手に住まうためのプロトタイプを提案するものである。
Data
| 計画敷地 | ;神奈川県横浜市 |
| 用 途 | ;集合住宅 |
| 住戸戸数 | ;9戸 |
| 階数構造 | ;地上2階 RC造 |
| 敷地面積 | ;1061.92�u(320.82坪) |
| 建築面積 | ;424.66�u (128.46坪) |
| 延床面積 | ;863.98�u (216.35坪) |
| 工程工期 | ;設計11ヶ月/工事12ヶ月 |
| 施工会社 | ;株式会社岩本組 |
| photo | ;seiichi ohsawa |
■ 掲載雑誌
| 掲載雑誌 | ;新建築 08/16号 |
